★ 第7回講座          2014.1/11・12

【講座内容】     移住者宅の『家おこし』とジャッキアップ・柱の継ぎ足し


年が明けて、最初のリフォーム塾が始まりました。
皆様、本年もよろしくお願い致します。

2014年、最初の講座は森上地区にある南西に傾いた築100年程の古民家を起こします。
今まで5年間、古民家リフォーム塾を開催してきましたが『家おこし』は初めてです。
この古民家は最大で南側へ8cmくらい傾いていました。
おこすと言っても人力で引っ張るのではなく「チルホール」という工具を使います。

全員ヘルメットをしっかりかぶって作業開始です。ご安全に!


    

まずは南側の桁にチルホールで引っ張るワイヤーを掛けたいのですが
桁に直接ワイヤーを通すと傷みますし、折れる危険もあるので当て材を縛るため
桁や壁周りの建材をとりはずします。

大引き材をしっかりとバンセン(太い針金)で縛りつけてからワイヤーを掛けます。


    

北側の裏山にある立派なもみじと台所跡の流し台、竃にもアンカーとして手伝ってもらって
4つのチルホールを設置します。(チルホールはすべて地元の方にお借りしました。感謝。)


    

ワイヤーがピンとなるようにチルホールで締めます。
レバーを動かせば締まってくるので女性でもできますよ。

4本のワイヤーがピーンと張られたらそれぞれのチルホールを少ーしずつ締めていきます。
すると、ミシっ、ミシミシミシっっと音がして家が起きてきました。

この時、家の中心線2ヶ所に取り付けた下げ振りを確認しながら締め具合を調整していきます。

    

「はい、一番はじっこの人、もうちょっと締めて〜」
「○○さん、きもーち緩めて〜」と声をかけながら作業を進めます。

下げ振りの糸が柱から5cmになったことでまっすぐに起きたことが分かります。
ワイヤーを外した時に傾きが戻ってしまう事も想定して少しだけ多めに引っ張っておきます。

    

ワイヤーを締めた状態で桁、柱、大引きなどに仮の筋交いをX型に留めます。

    

起した家がまた、倒れないように南側の庭と室内に穴を掘り、つんばり棒(つっぱり棒)を設置します。

それからチルホールのワイヤーと仮の筋交いをを緩めます。
想定では家の傾きが戻るはずでしたが・・・つんばり棒のおかげかびくともしません。

    

起こし過ぎたら戻せばいいんです!北側からもつんばり棒をかってカケヤで叩いて微調整。

さぁ、家が真っ直ぐになったら柱をしっかり立てましょう!!

    

レーザー水準器を合わせて水平の位置を確認します。
下がっている柱をジャッキアップして足りない分は継ぎ足します。

    

この柱は根元がカスカスだったのでカットします。
廃材もちゃんと再利用しますよ。
堅い栗の廃材をチェーンソーでカットして柱に継ぎ足しました。
    

調整する柱の横にジャッキアップ用の材をかませて持ち上げます。
元の柱の腐った部分はやはりカットして柱を継ぎ足します。
補強の為にもう一本、柱を添えてボルトで留めます。

    

一方では北東にあったお風呂場の解体が始まっていました。
皆さん、日頃の鬱憤を大ハンマーに込めてコンクリートブロックを叩き壊していきます。
気分はスッキリするけど大変疲れる仕事です。
タイルは叩くと破片が飛んでくるので気をつけましょう。
この作業ででたガラは室内の地面に掘ってあったムロを埋めるのに利用しました。


第5弾 リフォーム塾のメインとも言える「家おこし」も無事に終わりました。
傾いた古民家もなんとかなっちゃうのがおわかり頂けたでしょうか。

『みんなでやろまいか!』の精神でこれからも続けていきたいですね。。